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コーヒー豆の加工法(精製法)って何?

このページではコーヒー豆の加工法(精製法)について解説しています。

gucci

今日はコーヒー豆の加工法について説明するよ

加工法って水洗式とかスマトラ式とかのこと?あれって何なの?

以上のような質問にお答えします。

このページの内容
コーヒーって?
コーヒーの精製方法って?
乾燥式(ナチュラル、非水洗式)
水洗式(ウォッシュト)
半水洗式(パルプトナチュラル、ハニー、スマトラ)

この記事を書いている人
gucci

プロフィール

スタバの教科書中の人

ロースタリー東京 初日参戦組の人

リザーブストア、リザーブバー、ネイバーフッド、各種リザーブ店、ティー&カフェ、リージョナルランドマーク店など全国のスタバ店舗をまわっている人

自分でも焙煎をするコーヒーインストラクター

目次

コーヒーって?

コーヒーというのはアカネ科の植物です。

我が家のコーヒーノキ
我が家のコーヒーノキ

成木になるには3-5年かかり、成木すると真っ白なコーヒーの花が咲きます。

コーヒーの花は開花するとジャスミンのような香りがします。

その後 結実すると緑色のコーヒーの実ができ、熟すとチェリーのような赤色になります。

コーヒーチェリー
コーヒーチェリー

この熟したコーヒーチェリーを、生豆(焙煎前の豆)にして、焙煎するとコーヒーになります。

この生豆の状態にすることを精製と呼びます。

生豆
生豆

精製方法にはいくつか種類があるので 次の章以降 詳しく解説します。

コーヒーの精製方法

コーヒーチェリーを生豆にするにはいろんなプロセスをふむ必要があります。

チェリーの一番外には皮(外皮)があります。

皮の下(内側)には果肉があり、果肉の中は「パーチメント」という薄皮があります。

パーチメントの中にはミューシレージという聞きなれないものがあります。

このミューシレージはヌルヌルした粘着質で、この中に種がはいっています。

この種が実はコーヒーの「豆」と呼んでいる部分になります。

この「コーヒー豆」の状態にもっていくにはいくつか方法があり、乾燥式、水洗式、半水洗式と呼ばれています。

それぞれ詳しくみていきます。

乾燥式

乾燥式、別の名をナチュラル、非水洗式といいます。

乾燥式
乾燥式

水を使わないで そのまま乾燥させる精製法です。

コーヒーチェリーをまるごと天日干しすると、果肉もミューシレージもパーチメントも厚い殻になって干からびます。

この殻を割ると中から生豆がでてきます。

水の便がわるいブラジル南部やエチオピア、イエメンなどでは一般的な方法です。

「そのまま乾燥させる精製法」と書きましたが乾燥させるにもいろいろ種類があります。

「パティオ」というレンガなどでできた地面のうえで乾燥させる方法や、

アフリカンベッドという 網をはったテーブルのようなところで乾燥させたり、

家の屋根のうえで乾燥させたりと 様々です。

ブラジルではコーヒーが完熟してもコーヒーノキからすぐに収穫せずに木のうえで乾燥させる「樹上完熟(Dry on tree)」という手法もあります。

gucci

乾燥させるのもいろいろあって奥が深い

メリットとしては水を使わないので環境にやさしいということ、独特の香りを楽しめる、

デメリットとしては、乾燥に日数がかかる、広大な土地がいる、品質が安定しない、手間がかかる、などです。

水洗式

水洗式、別名 ウォッシュトといいます。

その名の通り水を使う精製法です。

収穫されたコーヒーチェリーを、まずはパルパーという機械で処理します。

パルパー
パルパー

パルパーでは、皮と果肉を剝ぎ取り洗い流します。

ただ、粘着質のミューシレージを完全に取り除くことができません。

そこで、この状態で水につけます。すると水中の微生物のちからで発酵がすすみ、ミューシレージが分解されます。

gucci

ミューシレージにはペクチンという糖(多糖類)がふくまれていて、この糖を微生物が分解してくれるよ

分解されると洗い落としやすくなるので、分解後に 改めて水洗いします。

するとパーチメントがついた状態の豆になるので この状態で保管します。

これが水洗式です。

メリットとしては、水を使うことで不純物の除去や欠点豆が少なくなり、品質が安定する、クリーンな味わいになります。

デメリットとしては、水源が乏しい地域では使えない、乾燥式に比べ環境負荷が大きい、などがあげられます。

半水洗式

水洗式では、パルプ処理で水洗い、微生物による分解で水洗いと、2回水洗いをするのに対し、

半水洗式では パルプ処理のときのみ水を使い、あとの工程は乾燥式と同様です。

なので水洗いが2回ある水洗式に比べ、水洗いが1回なので「半水洗式」。

20世紀以降 パルパーの改良が進み、ミューシレージの部分まで そぎ落とすことができるようになりました。

パルプトナチュラル

この半水洗式はブラジルで広まった方法です。

「パルプ処理」+「乾燥式(ナチュラル)」なので「パルプトナチュラル」といいます。

パルプトナチュラルはスタバでは取り扱いは少ないですが、過去にロースタリー東京限定で発売された「ブラジル カショエイラ ダグラマ ファーム」などが該当します。

ブラジル カショエイラ ダ グラマ ファームのエデュケーションカード
ブラジル カショエイラ ダ グラマ ファームのエデュケーションカード

ハニー

この方法はその後 中米のコスタリカなどに広がります。

本来 取り除くはずのミューシレージを、どこまで残すか調整することで 香りがかわることから、中米ではミューシレージの除去率に着目した半水洗式が行われています。

ミューシレージのことをスペイン語でミエル(miel)といいます。mielにはハチミツという意味もあることから、ハニー製法とも呼びます。

ミューシレージの除去率で見た目(色)も変わります。

見た目の違いから「ブラックハニー(ミューシレージ除去率0%)」から「レッドハニー」「イエローハニー」「ホワイトハニー(90%以上)」という分類をされる場合もあります。

スターバックスリザーブから、過去に「ハニープロセス」という名前のついた豆がでたこともあります。

スマトラ式

半水洗式に分類される方法としてスタバでよく出てくるのがスマトラ式です。

インドネシア スマトラ島でうまれた加工法になります。

スマトラ島というかインドネシアでは雨がおおく、コーヒー豆をしっかりと乾燥させづらいという事情があります。

そこで考案されたのが次のようなステップです。

「果肉を除去」➡「予備乾燥」➡「脱穀」➡「本乾燥」というプロセスです。

スマトラ式の場合、生豆は緑色で、独特なフレーバーをもちます。

よく「ハーバル」「アーシー」と表現されるフレーバーです。

スマトラの豆を3~5年 倉庫で保管し寝かせた(エイジングさせた)エイジドスマトラという豆があり、それをつかっているのがホリデーの時期にでるスターバックス リザーブ クリスマス

アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)

精製時にコーヒーを水につけて発酵させる際、通常は密閉せずに発酵させます。

密閉させないということは、空気を遮断しないということなので、専門的ですが「好気性発酵」になります。

一方で、この発酵をさせる際に空気を遮断して行うと「嫌気性発酵」というのが起こります。

この嫌気性発酵のことを英語でアナエロビックファーメンテーションといいます。

アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)の場合、従来の発酵(好気性発酵)とは異なる風味になります。

ただこれはあくまでも発酵工程の話であり、収穫後 発酵させるまでどういったプロセスだったか(乾燥式だったのか、水洗式だったのか等)で呼び方もかわります。

乾燥式で加工され 嫌気性発酵された場合は「アナエロビック ナチュラル」ですし、

水洗式で加工された嫌気性発酵は「アナエロビック ウォッシュト(ウォッシュド)」、

半水洗式(といっても中米の場合が多いのでその場合ハニー)からの嫌気性発酵の場合は「アナエロビック ハニー」と呼ぶこともあります。

ロースタリー東京では、以前、世界のスタバで初めて嫌気性発酵の豆がリリースされました。

それが「ブラジル ファゼンダ ダ アルマス ナチュラル アナエロビック マイクロロット」です。

(ロースタリー東京の豆は「アナエロビック ナチュラル」とは言わず「ナチュラル アナエロビック」というのでややこしいですね(笑))

嫌気性発酵についても比較的詳しく記載していますので よかったらご覧ください。

その他

発酵は奥が深く、説明をはしょったところもありますが・・・コーヒー業界で試されている発酵にはほかにもあります。

たとえば、発酵の際 ワイン酵母をつかったりフルーツ酵母を加えたり、ドライ(水に漬けずに)発酵させる方法などです。

どこに書いてある?

乾燥式、水洗式、半水洗式に分類されていることはわかっりました。

では スタバの豆の場合どこを見れば加工法がわかるかといいますと、

加工法の確認方法

  • 豆の名前で確認する
  • エデュケーションカードを確認する
  • ホームページ/コーヒーパスポートを確認する

それぞれみていきましょう。

豆の名前を確認する

まずは豆の名前です。

ただ豆の名前で加工法がわかる場合もあれば、名前だけでは加工法がわからない場合もあります。

まず名前で加工法がわかる例です。

「サンドライド パプアニューギニア ウルヤ」

サンドライド パプアニューギニア ウルヤ
サンドライド パプアニューギニア ウルヤ

スタバの場合、乾燥式の豆に「サンドライド」が名前にとつくことが多いです。

ただ 乾燥式の豆すべてがすべて サンドライドという名前がつくわけではありません。

例えばシングルオリジンシリーズの「ブラジル ミナス ジェライス」

こちらは名前に「サンドライド」とついていませんが乾燥式の豆になります。

こういう場合どこを見ればいいかというとエデュケーションカードになります。

エデュケーションカードを確認する

名前で判断がつかない場合はエデュケーションカードをみます。

エデュケーションカードをみれば加工法がかかれています。

エデュケーションカード
エデュケーションカード

ちょっとボケてますが…下のほうに「加工法」が書いてあります。

エデュケーションカードの詳しい見方はこちらをご覧ください。

ホームページ/コーヒーパスポートを確認する

コア豆(通常のスタバ店舗で通年販売されている豆)にはエデュケーションカードがないので、その場合はホームページかコーヒーパスポートを確認します。

本サイトで紹介している豆については すべて加工法を記しています。

ちなみに現行のコア豆には乾燥式の豆はありません(エチオピア(通称BNA)ですら水洗式です)。

あるのは「水洗式」「半水洗式」「水洗式/半水洗式(のブレンド)」のいずれかです。

水洗式(コア豆)

スターバックス ライトノート ブレンド
スターバックス ブロンド エスプレッソ ロースト
ブレックファースト ブレンド
サイレン ブレンド
ケニア
パイクプレイス ロースト
グアテマラ アンティグア
エチオピア
ハウスブレンド/ディカフェ ハウスブレンド
コロンビア
フレンチ ロースト

半水洗式(コア豆)

スマトラ

水洗式/半水洗式(コア豆)

TOKYO ロースト
コモドドラゴン
カフェ ベロナ
エスプレッソ ロースト
イタリアン ロースト

終わりに

コーヒーチェリーからコーヒー豆(生豆)を精製する方法についてまとめました。

関連する記事としてスタバのリザーブ豆、シングルオリジン/シーズナルコーヒーについてまとめている記事があるのでよかったらそちらもご覧ください。

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